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砂岩童形頭部 雲崗

北魏(5~6世紀)
高 15.7 cm(台含まず)

来歴

水野清一 (1905~1971 年) 箱書.
繭山龍泉堂.




Northern Wei dynasty (5th–6th centuries)
H. 15.7 cm (not including stand)

PROVENANCE

Box inscription by Mizuno Seiichi (1905–1971).
Mayuyama & Co., Ltd., Tokyo.






HOLD

柔らかく微笑む雲崗の仏頭です。童子のような顔立ちで、瑞々しい魅力があります。瞼や頬の膨らみ、アルカイックスマイルを讃えた口元など、顔の凹凸は繊細な彫りで表現されています。柔和な表情を眺めていると心が穏やかになるようです。

雲崗は中国の仏教美術におけるひとつの頂点と云えます。雲崗はガンダーラ、グプタ、さらに西方のギリシアの意匠や造像の影響を受けて発展し、そこに東洋的な優美さが加わった唯一無二の魅力を持っていることは本作からも看取されるでしょう。日本の仏像も初期は北魏の様式の影響が強いこともよく知られていますが、北魏仏は東洋世界における仏教美術の源流ともなりました。

本作は雲崗石窟研究の第一人者として著名な水野清一(1905〜1971年)氏による箱書を伴っています。水野氏は戦前期に雲崗石窟を調査し、その研究を纏めた『雲崗石窟』や『雲崗石窟系譜』を著しました。