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褐釉刻花唐草文水注

スワンカローク窯
スコータイ朝(14~15世紀)
高 8.0 cm 幅 12.0 cm

来歴

Sanidh Chaima旧蔵.




Sawankhalok ware
Sukhothai kingdom (14th–15th centuries)
H. 8.0 cm W. 12.0 cm

PROVENANCE

Sanidh Chaima Collection.






15世紀頃のタイで焼かれたケンディです。ケンディは水を冷たく保つことが出来る飲水器で、東南アジアでは特に広く使用されました。ケンディという名称は仏教で用いる水瓶のクンディカに由来し、「軍持」と表記されることもあります。日本にも中国韓国を経由して仏教と共に伝播した浄瓶はこのクンディカを祖型としており、東西に渡って広がりを見せている器種です。さらに面白いことに元時代の青花や明初期の釉裏紅で、さらにのちの伊万里でも生産されるなど、独特な形状は時代と地域を超えて愛好されたようです。

総体に褐釉が掛けられた水注には細かな刻花の唐草文が表されていますが、この文様からは元や明初期の作例との関連性が感じられるのは興味深い点です。造形を見ても製陶技術の高さが見て取れます。

はっきりとした来歴は不明ですが欧州のオールドコレクションより将来されており、旧蔵者のコレクションシールが底部に貼られています。