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青磁碗

高麗(11世紀後半)
高 5.5 cm 径 14.5 cm

Koryo dynasty (Late 11th century)
H. 5.5 cm Dia. 14.5 cm




SOLD

淡麗で美しい青磁の碗です。11世紀終わり頃、高麗の作と考えられます。高麗王朝の青磁は宋時代の優れた青磁に影響を受けて作られていますが、その美質は宋磁に匹敵するほど極めて高い位置まで到達しています。中国以外で最高峰に位置する青磁を産した、唯一の国と云えるでしょう。高麗青磁は12世紀初期に隆盛を極め、カワセミの羽根の色に喩えられ「翡色青磁」と賛美されましたが、本作はそれよりも時代の古いいわゆる初期高麗に属するものです。ただし初期といえども本作の色調はほぼ翡色完成の域に迫っており、高麗独特の美しい青みを呈しています。

素文でシンプルな碗形は、越州窯や耀州窯(東窯)、影青といった中国陶磁の名窯と共通するようなシャープで洗練された器形をしていますが、どこか優しさのあるラインに韓半島独特の感覚が観て取れます。裏を返すと環状になった高台をしています。これは玉環底や蛇の目高台と呼ばれる11世紀頃の高麗青磁に特徴的な高台で、この時代に特有のつくりも本作の興味深い点と云えるでしょう。