小山冨士夫(1900〜1975年)箱書.
Box inscription by Koyama Fujio (1900–1975).
十二世紀後半に朝鮮半島で焼造された
近年、疑わしい高麗青磁の象嵌作品が市場に出回ったため、一時は評価が下がりましたが、戦前期出土のものは高い美質を有し、魅力があります。天板、肩の斜面、胴の側面ときれいに面が作られており、エッジが立ちシャープな印象です。象嵌の箇所に所々入るカンニュウは、象嵌した胎土による焼成時の収縮率の違いによると思われ、古手の高麗青磁によくみられる好意的な現象です。青磁釉の呈色もよく、白黒の象嵌によくなじんでおり、全体的に品のよい作品に仕上がっています。