Prof Peter Hariolf(1918~2013年)and Mrs. Traudi(~2018年)Plesch 旧蔵.
Prof Peter Hariolf (1918-2013) and Mrs. Traudi (d. 2018) Plesch Collection.
北宋末から金時代にかけて鈞窯で作られた緑釉が掛かる大ぶりの鉢です。鈞窯と云えば澱青釉が連想されますが、本作のような緑釉、また白釉や黒釉のものも作られていました。
自然な碗形の大らかな印象の一品です。力強く端正な作りの高台は、畳付きのみ釉が拭われ赤茶色に焼けた胎土が見えています。青磁釉と同様に還元焼成により発色する釉には適度な光沢があり、その透明感が本作に青磁にも通ずるシャープさを加味しています。
本作はかつてPeter Hariolf(1918〜2013年)Pleschの所蔵でした。Oriental Ceramic SocietyのメンバーでもあったPeterは学究肌で、研究者や専門家からも積極的に学び、引退後には自宅に中国・朝鮮美術のプライベートミュージアムを設けるほど蒐集に熱心でした。彼の旧蔵品としてよく知られる作品には、OCSの展覧会にも出陳された汝窯の水仙盆があげられます。また、中国陶磁に加え、ローマンガラスの蒐集家としても知られています。