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黒釉水注

盛唐〜中唐(8世紀)
高 11.4 cm  胴径 11.3 cm

出展

「中国美術展シリーズ3:隋唐の美術」大阪市立美術館, 1976年, no-1-87.


所載

大阪市立美術館編『隋唐の美術』1978年, 図版90.




High Tang – Mid Tang
H. 11.4 cm Torso Dia. 11.3 cm

EXHIBITED

Chugoku bijutsu ten series 3: Zui Tō No Bijutsu, Osaka Municipal Art Museum, Osaka, 1976, no. 1-87.


LITERATURE

Osaka Municipal Art Museum, Zui Tō No Bijutsu, 1978, pl. 90.






HOLD

丸い胴体に短い筒型の注口、盛唐から中唐期に多い器形をもつ黒釉水注です。二本の紐を鋲で留めた形状の把手が口縁より力強く伸びます。開いた口、くびれた短い頸から豊満に膨らんだ器体にかけての造形は、めりはりが効いて魅力的です。

重ね掛けされた釉薬が黒褐色を呈し、白色系の胎土とのコントラストを成しています。三彩に比して地味な印象の唐の黒釉ですが、陶磁史上重要な位置を占めるやきものです。江南に起こった黒釉生産は唐代には各地へ普及し、その中心を華北へと移していきます。本品も北方産と推定され、宋代の河南天目など、中原における黒釉磁隆盛への道のりを示唆するものです。

本作は1976年に大阪市立美術館で行われた著名な展観『中国美術展シリーズ3 隋唐の美術』に出展された来歴をもち、古くから知られた佳作です。