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粉青面象嵌草文瓶

朝鮮(15世紀)
高 17.2 cm 胴径 10.3 cm

Joseon dynasty (15th century)
H. 17.2 cm Torso Dia. 10.3 cm




腰部に張りのある玉壺春のような器形をした粉青沙器(ふんせいさき)の瓶です。俗に人参葉と呼ばれる李朝らしい葉文を面象嵌で表しています。高台は中ぐりが深く畳付きも太い、如何にも粉青沙器らしい様子を見せています。質朴とした造形、素地の灰青色とざっくりとした肌合い、大らかな面象嵌による加飾、堅牢な造りの高台と粉青沙器らしさを味わえる作品です。茶事に用いるお預け徳利に最適な大きさで、徳利として座右で愛でたい逸品です。

粉青沙器とは、「粉粧灰青沙器」の略語で、朝鮮時代につくられた白土による装飾が施された灰青色釉のやきもの総称です。日本では三島という呼称で親しまれ、茶道具としても用いられてきました。粉青沙器は青磁が変化したものですが、上述の特徴により格調高い高麗青磁とは異なる美質を有します。その装飾技法は、印花や象嵌、刷毛目など様々ですが、その象嵌という技法もまた、高麗からの伝統を引き継いでいます。このように前代の伝統を引き継ぎながらも新しいものを生み出した時代の力強さが感じられる作品です。