花梨材の筆筒で、清時代に作られたものです。直線的な造形、光沢があり黄味が感じられる華やかな色彩や木目などが見どころとなっています。また、花梨の幹の一節を底板までくり抜き、その中央部のみに別に削り出した円盤状の板を嵌めこむという手の込んだ作りをしていることも本作の特徴です。筆筒としては小振りですが、書画をたしなむために多くの筆を有するということが稀になった現在においては、鑑賞のためだけではなく実用としても愉しみやすい一品です。