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青白磁八角水注

景徳鎮系
北宋(11〜12世紀)
高 16.7 cm 幅 14.4 cm

来歴

濱田庄司(1894~1978年)旧蔵.


所載

繭山龍泉堂 『龍泉集芳 第一集』 便利堂, 1976年, 図版428.




Jingdezhen ware type
Northern Song dynasty (11th–12th centuries)
H. 16.7 cm W. 14.4 cm

PROVENANCE

Hamada Shōji (1894–1978) Collection.


LITERATURE

Mayuyama & Co., Ltd., Mayuyama Seventy Years, Vol. I, Benrido, 1976, pl. 428.






胴を八角形に面取りしている青白磁の水注です。宋代に景徳鎮系の窯でつくられました。豊かに膨らむ胴部と直線的な頸部、丸い胴部に入るシャープな稜線など、造形上のコントラストが目を引きます。磁胎は厚みがあり安定感のあるシルエットですが、所々に施された櫛目が軽やかさを演出しています。高台は内刳りが大変浅い作りとなり、持ち手には 「汪〇」という刻印が見られます。

面取りされた器形で内刳りのある高台を有する水注は、景徳鎮周辺でも特定の窯だけで作られたようで、この八角水注のタイプはどれも似た釉調、土、作りをしています。また、丸みのある胴部に長い頸部がつくという水注の器形は、北宋期の定窯から見られるようになり、その後、徐々に派生形が作られるようになりました。中でも景徳鎮窯の優美な瓜形のものがよく知られていますが、本作はそれらとはまた異なる力強く素朴な魅力を有したタイプと云えましょう。なお、本作に類似する面取りされた青白磁の水注は、高麗の古墳からしばしば出土されています。

本作はかつて繭山龍泉堂が扱ったことのあるもので、民藝の作家として知られる濱田庄司(1894~1978年)の旧蔵品です。