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三彩万年壺

盛唐(8世紀)
高 21.6 cm 胴径 19.8 cm

来歴

Dorothy Tapper Goldman(1944~2023年)旧蔵.




High Tang (8th century)
H. 21.6 cm Torso Dia. 19.8 cm

PROVENANCE

Dorothy Tapper Goldman (1944–2023) Collection.






唐時代の三彩壺です。肩が張り出し、裾がすぼまる壺は、被葬者用の永遠の穀物を供えたという説から「万年壺」と呼称されましたが、実際の内容品についてはよく分かっていません。しかしながらこの万年壺という器形の持つ豊かな造形は、唐という王朝が広く外の世界へも目を向け、拡張し、華やかな時代を成した感覚によって産み出されたものに違いなく、唐三彩を象徴するものです。どうしても三彩の釉薬が目を惹くものですが、やはり良い万年壺はしっかりと張りのある器形がその元になっています。

本作のように褐釉と緑釉、そして素地の白色の三色を用いて文様を表すのは唐三彩の典型例と云えます。その色彩は焼成時に溶け合い混ざり合っていますが、それは染織などからの影響も指摘されるように、この滲みはやはり三彩の見所と云えます。大きさもあり、飾り映えする一品です。