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白磁印花花文方盤一対

遼(11世紀)
最大のもの:高 4.4 cm 幅 12.5 cm

来歴

Mathias Komor(〜1984年), ニューヨーク.




Liao dynasty
Larger: H. 4.4 cm W. 12.5 cm

PROVENANCE

Mathias Komor (d. 1984), New York.






遼時代に焼成された方形の盤です。外縁が花弁のように波打っているのが同時代の方形盤の特徴で、白磁に限らず三彩にも見られる器形です。見込みや外縁の文様は型押しによる印花で、見込みには菊花花枝文、外縁の2分割された窓絵区画には、各々に花唐草文が配されています。菊花は遼時代にしばしば見られる意匠であり、唐草や蔦をシンプルな線描で表すのもこの時代の特徴です。型抜けが大変良く、見込み、外縁ともに文様が繊細かつ鮮明に表現されているところが、本作の見どころです。

遼代の白磁は、定窯の陶工に焼造を従事させたことから始まったと言われます。本作も端正な作り、アイボリーがかった白色は定窯を思わせますが、器形や文様構成は定窯には見られない表現となっており、遼時代の美質を鑑賞できる一品となっています。

Mathis Komorは、1931年から1941年までアートディーラーとして中国で過ごした後、ニューヨークに居を構え、中国美術のみならずローマ、ギリシャ、エジプト、日本美術まで幅広く扱う古美術商でした。