英国個人コレクター旧蔵, 20世紀初頭.
British Private Collection, early 20th century.
唐時代7世紀頃につくられた杯です。獅子と鳳凰が全面に表された外面には褐釉が、無文の内面には黄釉が掛けられ、底面に目跡が3箇所見られます。口縁周辺や印花文の釉が溜まった部分は飴色に発色し、獅子と鳳凰の表現には躍動感が感じられます。
銀器を祖型とする型作りの半球形杯は、初唐期盛んにつくられ、ペルシアなど西方の影響が感じられる花文や花弁文、葡萄唐草文などのエキゾティックなデザインが施されているのが特徴です。その中で、本作の獅子鳳凰文はあまり見られることがない珍しい一品と云えます。