Raymond Francis Alfred Riesco (1877〜1964年)旧蔵.
Raymond Francis Alfred Riesco (1877–1964) Collection.
副葬品として作られたと思われる唐三彩の高坏です。そのシャープな作りは響銅の高坏を思わせます。薄作りな盤の表裏には、白、緑、褐色の釉薬が繊細に掛け分けられ、盤側面には美しい光沢が見られます。盤見込み中央部の釉剥げの箇所や脚部からは、低火度焼成とは云え土が良く焼き締まっていることが見て取れます。
旧蔵者のRaymond Francis Alfred Riesco (1877〜1964年)は、切手の蒐集・研究家としても知られた人で、中国陶磁は新石器時代の作品から清時代の作品にいたるまで幅広く蒐集しました。その熱心さは、蒐集を始めた1918年から1961年までの40数年の間にロンドンの古美術商Bluett’sから購入した品物だけで、約540点にのぼるという記録からも伝わってきます。Riescoは自身のコレクションから200余点を故郷にあるクロイドン美術館に寄贈し、それらは現在もRiescoコレクションとして展示されています。