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白磁印花花文盒子

定窯
北宋(10〜11世紀)
高 3.0 cm 幅 6.2 cm

出展

『特別展示「盒」—東アジアのふたもの—』和泉市久保惣記念美術館, 1984年, 図版46.




Ding ware
Norther Song dynasty (10th–11th centuries)
H. 3.0 cm W. 6.2 cm

EXHIBITED

Special Exhibition: "Gō"—Higashi Ajia no Futamono— [Box and Cover of East Asia], Kuboso Memorial Museum of Arts, Izumi, 1984, pl. 46.






松葉形とも雲形とも云われる形状をした小振りな白磁の盒子です。北宋期初期に定窯で作られたと考えられます。しかしながら、当時は北方の遼でもすぐれた白磁がつくられており、本作のデザインからは遼磁と共通するような雰囲気も感じられるのは興味深いところです。

甲高の蓋上面中央に六弁花を表し、その中央を囲むように二重のビーズ状の丸文が配され、その雰囲気から祖型が金銀器にあったことがうかがわれます。印花による文様の片抜けも良く、細部まで明瞭に表現された愛らしい一品です。また、同時代の高麗でも青磁や漆器の類品が作られていたことから、当時、大変流行していた器種であることがうかがわれます。当初は数点を組み合わせて大きな盒子に納められていたもので、卓上の香辛料入れもしくは女性の化粧道具として使われたものであると考えられています。

本作は、1984年に和泉市久保惣記念美術館で開催された「特別展示『盒』—東アジアのふたもの」展に出陳されていました。