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白磁貼花四耳壺

初唐(7世紀)
高 9.4 cm 胴径 10.3 cm

来歴

Bluett & Sons, Ltd., ロンドン.
Robert John Heyworth(1910~1983年)and Letty Carson 旧蔵.
Elizabeth Attridge(1934~2018年)旧蔵.




Early Tang (7th century)
H. 9.4 cm Torso Dia. 10.3 cm

PROVENANCE

Bluett & Sons, Ltd., London.
Robert John Heyworth (1910–1983) and Letty Carson Collection.
Elizabeth Attridge (1934–2018) Collection.






HOLD

初唐の頃につくられた白磁四耳壺です。丸みの強い胴部に高めの頸がつき、肩には型抜きのパルメット文と耳が交互に4つずつ配され、高台は撥高台となっています。二重の耳や頸、肩に施されている圏線からは、本作が金銀器に倣ったものであることがうかがわれます。釉薬がカセているのが残念ではありますが、逆に、胎土の白さと焼きしまっている様子がよく見てとれます。小振りながら端正な器形をしており、貼花の抜けの良さ、頸の立ち上がりや耳の造形といった細部まで精緻につくられた良品です。

型抜き貼花に見られるパルメット文はヘレニズム文化の影響を受けた六朝の頃から多く見られるようになりますが、本作の膨よかで立体感のある貼花は隋から唐にかけての特徴を表しており、いかにも初唐らしい瑞々しさが感じられます。

本作は、ロンドンのディーラーBluett & Sonsから旧蔵者であるCarson夫妻の手元に渡りました。1950年代から宋磁を中心にコレクションを形成し始めた夫妻は、60年代から80年代にかけて大変活発に蒐集をしたことで知られています。コレクター仲間からはJack and Lettyと呼ばれていた彼らのコレクションには、そのイニシャルからJLCというシールが貼付されています。