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白磁盤口壺

唐(7世紀)
高 13.9 cm 胴径 12.5 cm

来歴

John Sparks, Ltd, ロンドン, 1964年12月2日.
Kenneth Lawley(1937~2023年)旧蔵.


出展

「Early Oriental Ceramics」University of Stirling, 1973年7月5日~25日, no. 8.




Early Tang (7th century)
H. 13.9 cm Torso Dia. 12.5 cm

PROVENANCE

John Sparks, Ltd, London, 2 December 1964.
Kenneth Lawley (1937–2023) Collection.


EXHIBITED

Early Oriental Ceramics, University of Stirling, 5–25 July 1973, no. 8.






SOLD

蕪形の胴と短い頸の先に盤口がついた白磁の壺です。初唐の頃につくられました。直線と曲線が調和する端正な器体は高温焼成により焼きしまり、釉がムラなく溶けています。輪高台が撥状に美しく成形され、金属器的なシャープさが感じられます。ベタ底が多かった当時としては珍しく、ひと手間かけた仕上げと云えましょう。

いわゆる唾壺とよばれる器種は古く漢の頃にまで遡れますが、その用途からか、胴部下部にボリュームのある器形で作られ続けていました。しかし、唐時代に入りその器形に変化が見られ、メリハリのきいた洗練されたものが見られるようになります。その中でも、本作はことに内側にエネルギーが満ちあふれているかのごとく胴部がたっぷりと豊かに張りだしており、同時代の長頸瓶などとも共通性が見られます。まさに国力が勢いよく充実していっている時期の初唐の空気感を反映しているのでしょう。

本作はロンドンの老舗John Sparksの扱いでその後、Kenneth Lawley(1937~2023年)のコレクションとなりました。エジンバラ大学の教授であり、Oriental Ceramic SocietyのメンバーでもあったLawleyのコレクションは、1964年に鈞窯の盤や唐白磁の万年壺、高麗青磁碗など数点の古陶磁を購入したことから始まりました。その後、その興味対象は銅胎七宝や玉、そして日本美術や東南アジア美術にまで及び、生涯をかけてコレクションを充実させていった蒐集家です。